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(ごまた) 液晶モニター DELL 1704FPVの修理

2018年04月20日(金)
 2005年に購入した17インチのモニターDELL FP1704FPVを今でも使っている。
 サイズ的にちょうど良いのだが、このところ調子が悪い。部屋が冷えていると起動しない。
 まるで劣化したATX電源のよう。

 買い換えようと調べると、現在売っているのはTN液晶パネル。
 TN液晶モニターは視野角が狭いのでピボットで縦向きにすると見えなくなってしまうので使えない。
 私が使っているような縦向きでも使えるVA液晶パネルはもう生産していないのだった。

 仕方ないので修理することにした。

 13年も経ったし、故障原因は劣化ATX電源と同じように電解コンデンサーの寿命だろうと適当に当たりをつけて分解。

 ケースは填め込み式でドライバーを食い込ませて外す。しかし不器用なので一カ所割れてしまった…。
 フレキシブルケーブルはピンセットを使って慎重に扱う。もし切れると補修にとんでもない労力と時間が掛かる。
 コネクタなど間違えそうな部分は外す前に写真を撮る。出来れば分解する所を動画撮影するのが良い。

 色々いじる前に、基板を取り外して撮影。

基板1
基板2
基板3
基板4
基板5
基板6
基板7
基板8

 メイン基板と電源基板に分かれている。

 電解コンデンサーはナイフ型のこて先を使い、両足を同時に温めてコンデンサーを引っ張り一気に外す。
 もたもたすると劣化するので良くない。
 1つ外すごとに、リファレンス番号、耐圧、容量、ピン間隔、直径、高さ、シリーズ名をEXCELに記録する。

 外したコンデンサーを調べると、CapXon社の物で、KM(105℃汎用品)、SK(105℃7mm品)、KF(105℃低Z品)が使われていた。
 10年は持ったので、寿命タイマーとして十分な仕事をしたコンデンサーだと思う。

 取り外したコンデンサーを1℃に冷やし、簡易ESR測定を行う。
 1℃なのはこの室温の時に起動しないからだ。暖房をつけると2時間後に起動する。

 測定すると容量は減らないもののESRがかなり上昇している。
 特に小型の7mm品は全て1Ωを超えている。これは全数を熱で壊したと考えにくく、劣化と温度特性(1℃)による物だと思う。
 小型品の寿命が短い事は、CapXonだけではなく松下もそうだったので、そのような傾向なのだろう。
 ちなみに、25℃では大半が1Ω未満になり、正常に使えそうな範囲になる。ただし10Ω程度になってしまっているのは無理だ。

 意外に思ったのは負荷が大きい電源二次側デカップリングコンデンサーで、低Z品のおかげか劣化が見られない。気合いの入った品質なのか。

 電源基板で劣化したコンデンサーは一次側PWM制御ICの電源コンデンサーだった。
 ここはICの電源をダイオード整流しこのコンデンサーで平滑するのだが、劣化すると正しい電圧が掛からなくなり、スイッチングFETをドライブ出来なくなる。暖まるとコンデンサーの特性が戻り、十分な電圧が掛かるようになってスイッチングが始まる。

 一次側コンデンサーは日本ケミコンのPAGシリーズでまだ使えそうだが、足を切断して測定してみた所、容量が14%減少。
 この部分はコンセントが繋がっているだけで常に充電されている。13年使うと113880時間であり交換の頃合いとなっている。


 代替品は容易に入手できるニチコンの製品を選定した。

 汎用品の代わりはUHEシリーズ(そこそこ低Z)とした。コンピューター基板なので低めのインピーダンスの方が良い。また、UHEは長寿命である。
 電源一次側はUCPシリーズ。耐久性10000時間もある。
 電源二次側はUHWシリーズ。ケミコンの中ではかなりインピーダンスが低い。そして小型で耐久性10000時間。
 その他も寿品を選定。これでコンデンサーよりも先にバックライトが寿命を迎えるだろう。

 代替するコンデンサーは電圧容量はもちろん、基板のピン間隔に合わないと刺さらない。更にサイズも考慮しないとシャーシに当たって組み付けられない。選定は全く面倒な物だ。


 コンデンサーを入手し、はんだ付け。しっかり選定された部品なら工作キットを作るかのごとく簡単。
 交換後の写真は撮影し忘れた…


 最後に元のコンデンサーなどを忘れないように表をぺたり。
 これがまた必要になるとか考えたくないがメモとして。

部品表のPDF

部品表の画像

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